佐藤、発想の転換“ノーガード戦法”だ
「WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(12月31日、大田区総合体育館)
ボクシングのWBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太(28)と東洋太平洋ウエルター級王者・渡部あきのり(27)が15日、所属する都内の協栄ジムで公開練習を行った。2度目の防衛戦となる佐藤は挑戦者・赤穂亮を“ノーガード戦法”で迎え撃つことを予告。渡部は世界上位ランク入りをかけた同1位プラウェート・シンワンチャー(タイ)と4度目の防衛戦(19日、後楽園ホール)へ意欲を見せた。
驚きの“ノーガード戦法”が飛び出した。この日、佐藤は4ラウンドのスパーリングなどで調整。フック系のパンチを振り回す右の強打者・赤穂を「ものすごく強い素人みたい。技術、スタミナは自分が勝っているけど、精神力では負けるかも」と評し、対策を「相手のパンチ力があるからこそガードを下げる。発想の転換です」と話した。
漫画では見られるが、常識的には危険な策。だが「ガードを上げると“的”が大きくなるし、パンチの出どころも分かる。下げると“的”が小さくなるし動くので、なかなか当たらない。どこから手が出るかも分からない」と“佐藤理論”を展開。
奇抜な変則スタイルを、関係者やファンにたしなめられることが多い。健康を心配する看護師だった母から「もっとガードを上げなさい」と忠告されるという。それでも佐藤は「周りから言われるのはストレスでたまらない。効果があるからやっていて、調子こいてるわけじゃない」と、我が道を行く。“マジカルボックス”が大みそかに勝利の鐘を鳴らす。