名城「再起します」現役続行を宣言
WBA世界スーパーフライ級元王者の名城信男(31)=六島=が19日、大阪市内の同ジムで会見し、現役続行の意思を表明した。名城は9月1日の世界戦でテーパリット・ゴーキャットジム(23)=タイ=に0‐2で判定負けし、日本選手5人目となる3度目の世界王座獲得に失敗、試合後に引退を表明していたが、10月に米国で行われた西岡利晃(36)=帝拳=の世界戦観戦がきっかけになったという。今後は「国内でも東洋でも」と世界戦にも、また階級にもこだわらず再起を目指す。
グレーのスーツとネクタイに身を固め、名城は声高に宣言した。「再起します。よろしくお願いします」。負ければ引退の覚悟で臨んだ前戦だったが、敗戦後にはすでに「踏ん切りがつかなかった」という。
その後、周囲からの激励や、名城の心境を察した智子夫人からの「やってみたら?」という後押しもあった。敗戦後は「何をやってもおもしろくなかったし、どう生きていくか、リアルに考えてました」とも言う。
迷いを完全に断ち切ったのは、米国で現地観戦した10月13日の西岡とドネア(フィリピン)とのスーパーバンタム級統一世界戦だった。TKO負けながら、36歳の西岡の奮闘は「かっこよかった」と振り返る名城。「僕も少しずつ成長している部分がある。もう一皮、むけることができるのでは」と決意したという。
「(六島ジム)枝川会長に、一からやらせてください、とお願いした」という名城はこの日の会見も、同会長の親心から本人のみの出席。次週からのキャンプも、従来の遠隔地ではなくジムから徒歩数分の長居公園内。「がけっぷちではなく、がけの下から」元王者が栄光への道を再び、歩き始める。