ツニャカオ“父の意地”で勝負

 「WBC世界バンタム級挑戦者決定戦」(22日、神戸市立中央体育館)

 同級1位のマルコム・ツニャカオ(真正)と同級3位クリスチャン・エスキベル(メキシコ)が20日、神戸市の真正ジムで予備検診を行った。両者に共通するのは、故郷に子どもがいること。家族への思いを拳に乗せて、現王者・山中慎介(帝拳)への挑戦権をつかみ取る。

 エスキベルは娘への思いを力に変える。3歳になる一人娘のニコレさんがいるものの、結婚はしていないシングルファーザー。メキシコで父の勝利を願っている愛娘に「愛している。あなたのために勝って帰る」と、約束してきたという。

 陽気に「バツイチ」と話すツニャカオは、前妻との間に16歳の娘、14歳と11歳の息子と3人の子どもがいる。毎日のようにインターネット電話で話し、元気をもらっている。「(セブ島にある)サントニーニョ教会でお祈りをしてくれている」。祖国フィリピンからの思いに勝利で応える。

 初対面の2人は、笑顔で健闘を誓い合った。負けられない理由は同じ。海の向こうの子どもたちに“父の意地”を見せる。

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