ツニャカオ完璧KOで山中へ挑戦権獲得
「WBC世界バンタム級挑戦者決定戦」(22日、神戸市立中央体育館)
13年ぶりとなるマルコム・ツニャカオ(真正)の世界挑戦が決まった。来年3月に現王者・山中慎介(帝拳)との対戦が実現する。「(WBA世界バンタム級王者の)亀田興毅とやりたかったが、山中と頑張る。(亀田)和毅より先に私がやる」。勝利の余韻に浸らず、早くも次戦へと気持ちを切り替えた。
相手がけいれんを起こすほど、完ぺきなKO勝利だった。1回に左ジャブの連打でペースをつかむと、3回からは左ボディーが効果的に決まった。最後の7回は、右アッパーで相手がグラつくと、ラッシュに出て右フックで仕留めた。
00年にWBC世界フライ級王者を奪取したが、翌年に陥落。07年に長谷川穂積のスパーリングパートナーとして、2度来日したのが転機となった。故郷のフィリピン・セブ島に家族を残して日本に活躍の場を求め、09年に真正ジムへ移籍した。
この日は、王者・山中が会場で試合を視察した。「山中は友達。リングの内外でも本物の王者」。挑戦者として相手に敬意を表したが、KOでの圧勝は最高のデモンストレーションとなった。