黒田雅之が世界戦!川崎で24年ぶり
ボクシングの川崎新田ジムは10日、川崎市内の川崎商工会議所で会見を行い、同ジム所属のWBA世界フライ級9位・黒田雅之(26)が2月27日に川崎市とどろきアリーナで、同王者ファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)に挑戦することを発表した。川崎市内のジムとして初の地元世界戦開催。この日、黒田は4度防衛した日本ライトフライ級王座を返上した。黒田の戦績は21勝(13KO)3敗2分け、レベコは29勝(16KO)1敗。
異例の会見だった。ボクシングの会見はジムやホテルで行うのが通例だが、この日の会場は川崎商工会議所。川崎市で24年ぶり、市内のジム主催では初の地元世界戦に、地元の熱意を感じさせた。
所属選手が防犯パトロールを兼ねたロードワークを行うなど、地域密着型のジム経営を進めてきた新田会長は「『川崎から世界へ』をスローガンに、地域密着で盛り上げたい」と説明した。バックアップも手厚く、商工会議所のほかに、川崎市、同市教育委員会などの後援が内定。さらに、J1川崎も名を連ねた。
川崎は集客や応援をサポートし、今後も同ジムとコラボを行う意向。また、川崎のマスコット・ふろん太をラウンドガールならぬラウンドボーイに起用。黒田の昨年9月の試合以来、2度目だ。
主役の黒田は4度の日本王座防衛はすべて判定で、ここ2戦は引き分け。さらに、昨年7月には日本Lフライ級6位の“怪物”井上尚弥(大橋)のプロテストのスパーリングパートナーを務めて防戦一方になるなど、精彩を欠く中での世界挑戦だが、「みっともないけど、生き残った結果」と開き直る。
不振の原因は「日本王者は上も見ないといけないけど、下に負けてもいけない。メンタルが中途半端になった」と分析。「自分で自分を小さくしてしまい、持ち味の爆発力が鳴りを潜めてしまった。今回は思いをぶつけたい」と誓った。
相手レベコはLフライ級でも世界王者となった強豪。新田会長は「攻防のバランスがいい」と評価するが、「黒田は“キレる”ことができれば、かなりの力を発揮できる。キレられれば戦える相手。自然にではなく、能動的にキレることを練習している」と、対策に取り組む。力を出し切って世界奪取。それが地元・川崎への感謝の証しだ。