小関V10 長谷川に並び歴代2位
「WBC女子世界アトム級タイトルマッチ」(3日、後楽園ホール)
ボクシングの女子トリプル世界戦が行われ、WBC女子世界アトム級王者の小関桃(30)はマリア・ヒメネス(27)を3‐0の判定で下し、日本女子で最多記録を更新する10度目の防衛に成功した。男女を通じては、長谷川穂積と並んで日本歴代2位。WBA女子世界ミニマム級王者の多田悦子(31)は黒木優子(21)を3‐0の判定で下し、9度目の防衛成功。WBC世界ライトフライ級王座決定戦は、柴田直子(31)がイベス・サモラ(24)に3‐0の判定で敗れ、王座奪取に失敗した。
3月3日を小関“桃の節句”にした。王者はヒメネスのパンチを冷静に見極め、鋭く正確なワンツーで試合を支配。後半には相手を何度もロープ際に追いつめて圧倒し、ジャッジ3人がフルマークの判定で完勝した。
KO勝ちを逃し、「もうちょっと詰めたかった」と不満を残した。それでも、日本選手で3人目となる2ケタ防衛を達成。「女子の歴史をつくるのは私の使命。男子と数字だけで同じように比べられるのは申し訳ないので、女子は女子の記録を伸ばして行きたい」。日本女子の第一人者として自覚を示した。
小関には夢がある。母校の日本女子体育大で、毎年10月下旬に行われる学園祭で世界戦を行いたい。所属ジムの有吉会長は「いつまで王者でいられるか分からないので、何とか今年やらせたい」と実現を目指し、王者も「それまで絶対に負けられないのがモチベーションになっている」と目を輝かせた。満開の小関“桃の花”は、まだまだ咲き誇る。