三浦“バレロ級”の左で世界を射抜く!
「WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ」(4月8日、両国国技館)
王者ガマリエル・ディアス(メキシコ)に挑戦する三浦隆司(28)=帝拳=が29日、都内の所属ジムで練習を公開し、「いかに得意の左を当てるか」を勝負のカギに挙げた。担当の葛西裕一トレーナーは三浦の左の威力を、三浦と同じスーパーフェザー級とライト級で世界を制覇し、27戦全KO勝利の記録を残したベネズエラの故エドウィン・バレロ級と評価。「どこでも決められる」と、王座奪取に期待をかけた。
サウスポーのファイター、三浦が勝負のカギに挙げる左ストレートは、トップレベルの相手にも火を噴いている。11年1月にはWBA世界Sフェザー級王座を現在6度防衛中の内山高志に挑戦し、8回TKOで敗れたもののダウンを奪い、昨年10月には、元東洋太平洋ライト級王者・三垣龍次を1回KOで粉砕した。
バレロのパンチをミットで受けた経験のある葛西トレーナーが「バレロの左はぶつかった後、急所に突き刺さる感じ。三浦はちょっと違うが、衝撃がドーンとくる。腕を痛めたこともあるし、手応えは三浦の方が上」と話すほどの破壊力。そこに陣営は期待をかける。
三浦と同門の粟生隆寛を破って王者となったディアスの実力を、同ジムの浜田剛史代表は「三浦と同じサウスポーの粟生に勝ってるのだから、それだけの強さ、うまさを持っている。ボクシングなら相手が上」と認め、「三浦の馬力で持っていきたい。パワーもアップしている」と話した。
葛西トレーナーは「本人はいつでも左を出せるタイミングをつかんだらしい。どこでも決められるが、最後に左の形をつくるために、右、ボディーなどトータル的に練習してきた。自然な流れで出ればいい」と、戦いをイメージする。
三浦はこれまで約120ラウンドのスパーリングを消化。この日はフィリピン人のパートナーと3ラウンドを行い、パワフルな連打で何度も圧倒するなど調子の良さをうかがわせた。減量もあと1・3キロと順調だ。2度目の世界挑戦に「これ以上ないチャンスだと思うので、全力でベルトを取りに行く」と闘志メラメラ。夢を乗せた左ストレートが世界王座を射抜く。