しずちゃん、がん闘病の恩師にささぐV

 「女子ボクシングチャレンジマッチ」(2日、後楽園ホール)

 しずちゃんが闘病中のトレーナーに感動の白星を捧げた‐。アマチュアボクシングの「第1回女子チャレンジマッチ」が2日、後楽園ホールで行われ、お笑いコンビ・南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代(34)=よしもとクリエイティブエージェンシー=が、ミドル級4回戦で薛春秋(台湾)に25‐15で判定勝ち。一昨年のデビュー戦で敗れた相手にリベンジを果たすとともに、がんと闘う恩師の梅津正彦トレーナー(44)に最高の良薬を届けた。

 ひたすら前へ出た。どんなに相手のパンチを浴びても絶対にひるまない。終盤にスタミナは切れたが、山崎の闘争心が衰えることはなかった。「試合の後半は、自分でも何をしているか分からなかった」と振り返った。

 無心で左右のパンチを繰り出した。最後まで果敢に攻め続け、25‐15での判定勝ち。「前回はダブルスコアで負けた相手。強い選手に本当によく頑張った」と、リングサイドで見守った梅津トレーナーも称賛した。

 どうしても負けられなかった。昨年12月の全日本選手権(山形)では、対戦相手の棄権で不戦勝となり試合ができなかった。この日は約11カ月ぶりの実戦。しかも、ボクシングの聖地・後楽園ホール。レスリングの浜口京子をはじめ多数の知人が応援に駆け付けてくれた。「試合前は、こんなに緊張したことがないくらい緊張した」と重圧を感じていたが、梅津トレーナーのサポートで平常心を取り戻せた。

 がんと戦い続ける恩師に、山崎ができることは、いいボクシングを見せて励ますことだけ。「きょうは成長した姿を見せられたけど、少しずつ練習して、完成に近づけるように頑張りたい」とさらなる飛躍を誓う。試合後には、映画「あしたのジョー」で梅津トレーナーから実技指導を受けた俳優の伊勢谷友介がリングに上がり、がん闘病への支援を呼びかけた。

 次の目標は12月の全日本選手権(新潟)。体が動かない日々もあった梅津トレーナーは、「すごく体調が良くなって試合の日を迎えることができた。次の試合まで頑張りたいね」と笑顔を見せて山崎に期待を寄せた。師弟の二人三脚は、これからも続く。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス