井上、次は日本王座 挑戦可能性高い
ボクシング史上初の高校生アマチュア7冠で日本ライトフライ級6位の“怪物”井上尚弥(20)=大橋=が、同級1位・佐野友樹(31)=松田=を10回TKOで下したデビュー3戦目から一夜明けた17日、横浜市の所属ジムで会見を行い、次戦での日本王座挑戦を改めて熱望した。また、同ジムの大橋秀行会長(48)は「次戦は未定」と話した上で、同王座に挑戦できる可能性が高いとの見通しを示した。
“怪物”が熱望する日本王座挑戦が、次戦に実現しそうだ。井上は前日に10ラウンドを戦ったとは思えないような、キズ一つない顔で登場。「自分にとって、いろんな意味でいい経験になった」と充実感をにじませた。試合途中に痛めた右拳は骨に異常はなく、打撲だった。
気になる次戦について、井上は「日本タイトルマッチをやりたい」と改めて熱望。大橋会長は「次は未定。右拳を治すことが大事」と話したが、「日本1位を圧倒したのだから、井上が1位になるのは間違いない」と明言した。
1位になれば、世界ランカーの角谷淳志(金沢)に次ぐ指名挑戦者候補となる。また日本王者の田口良一(ワタナベ)の次戦は指名試合。大橋会長は「角谷選手は体重が厳しいみたいで、辞退しそうだ」と話し、井上の次戦に指名挑戦権が回ってくる見通しを示した。
ノンタイトル戦でもゴールデンタイムに生中継され、前売り券も完売するなど注目を集めただけに、タイトル戦なら、さらなる盛り上がりが予想される。大橋会長は「パシフィコ横浜がいいかも」と、5000人級の大会場進出も示唆した。
前日、同会場で公開A級プロテストに合格したロンドン五輪金メダリストの村田諒太(三迫)からは、試合後にうれしい誘いを受けた。「試合中に村田さんの声援が聞こえてたので、お礼を言ったら『今度、祝勝会をしよう』と言われました」と、笑みを浮かべた。“怪物”の進撃が加速する。