井上が日本1位に!次戦で日本王座挑戦へ
日本ボクシングコミッション(JBC)のランキング委員会が24日、都内で開かれ、史上初の高校生アマチュア7冠の“怪物”井上尚弥(20)=大橋=が日本ライトフライ級6位から1位になり、4戦目の次戦は指名試合で同級王者の田口良一(26)=ワタナベ=に挑戦することが決定的となった。また、井上の父でトレーナーの真吾氏(41)は、次戦を8月下旬に行うことを希望した。
“怪物”が待望のベルトに近づいた。井上は16日に同級1位だった佐野友樹(松田)に10回TKOで圧勝したことで、1位まで上昇した。同級王者の田口は次戦が指名試合だが、指名挑戦権のあるWBA同級13位の角谷淳志(金沢)は辞退する方針を固めている。そのため、その次に指名挑戦権のある井上が、次戦で田口に挑戦することが決定的となった。
このチャンスをものにすれば、世界への道が一気に開ける。4戦目で日本王座奪取なら、平仲明信、辰吉丈一郎に続く日本選手最速タイ記録。また、世界挑戦者資格では、世界、東洋太平洋、日本のいずれかの王者経験者と指名挑戦者に限るJBCの内規も満たす。
さらに、田口はWBA同級6位でもあるため、勝てば世界ランク入りも果たす。井上には、WBA同級王者の井岡一翔(井岡)が持つ7戦目の日本選手最速記録を更新する5戦目で、世界王座奪取に挑戦できる可能性が出てきた。
所属ジムの大橋会長は記録を意識せず、5戦目での世界挑戦は考えないという。真吾氏も「世界挑戦の前に、世界ランカーとやって力を測りたい」と5戦目は世界前哨戦にする考えを明かした。
次戦は前戦で痛めた右拳の回復次第になる。真吾氏は「今月中に完治すれば、その後、2カ月きっちり練習してからですね。(自身の誕生日である)8月24日にできれば、いいプレゼントになりますね」と今夏の開催を希望した。
井上は「(タイトル戦は)意外と早かった。田口選手は若くて、スピードも勢いもある。(世界奪取記録は)目標として頭の隅に置いておきますが、まずは次の試合」と目の前の試合に集中する姿勢。“怪物”が世界への大きな一歩を踏み出す。