内山、左ボディー一撃で“悶絶”V7

 「WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ」(6日、大田区総合体育館)

 WBAのダブルタイトル戦が行われ、スーパーフェザー級は王者・内山高志(33)=ワタナベ=が同級9位のハイデル・パーラ(ベネズエラ)を5回KOで下し、7度目の防衛に成功した。内山は5回に右フックから強烈な左ボディーをたたき込み、パーラをマットに沈めた。スーパーフライ級は王者・河野公平(32)=ワタナベ=が同級1位の暫定王者リボリオ・ソリス(ベネズエラ)に0‐2の判定で敗れ、初防衛と王座統一に失敗。日本のジム所属の男子の世界王者は7人となった。

 盤石のV7だ。内山が「スパーリングでは当たれば95%倒れていた」という必殺の左ボディー一撃で無敗のパーラを悶絶させ、河野の敗戦で沈む会場を興奮の渦に巻き込んだ。

 KOシーンは狙い通り。「やりづらかった」とパーラの左ジャブにやや手こずったが「3ラウンドから自分のジャブが当たりだして、(左ボディーが)4ラウンドぐらいに当たるかなと思った」と手応え。そして5回。右フックで警戒させた後、左を脇腹にズドン。その衝撃はカウントアウト後もパーラが立ち上がれないほどだった。

 試合後はWBC同級王者・三浦隆司(帝拳)がリングに上がった。内山は「ぜひチャンスがあればやりたいと思います」と統一戦を呼びかけ、三浦も「よろしくお願いします」と応じた。だが、渡辺均会長は「三浦は次はメキシコでやると聞いているので、時間がかかりそう」とV8戦での対戦はないことを示唆。内山の今後には「(内山が対戦を熱望するユリオスキス)ガンボアは階級を上げるし、次は相手は白紙。次期は8月か9月、その次は12月にやりたい」と話した。

 日本ジム所属現役王者最多の連続防衛7度は、新井田豊、西岡利晃と並ぶ日本歴代5位タイ。安定王者の地位を固める内山も今年で34歳になるが、「プロ入りした頃は引退してると思っていたが、今は、体を大事に使っていれば30歳を超えても上がっていくと感じている」と、成長を続けていることを実感する。

 WBC世界フライ級王者・八重樫東らを指導する土居進氏のフィジカルトレーニングは強度を増し続けるが、「強くなりたい」の一心でこなす。「まだまだやれる。やれると思ううちはやれるし、キツいな、もうやらなくていいな、と思ったらダメになる。引退するころに、ここまでやって良かったと思えるようにしたい」と、モチベーションは衰えない。“KOダイナマイト”は、戦うたびに凄みを増していく。

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