性同一性障害と闘う真道ゴー王座奪取
「WBC世界女子フライ級タイトルマッチ」(19日、和歌山ビッグウエーブ)
性同一性障害に悩んできた挑戦者で同級3位の真道ゴー(25)=クラトキ=が、王者のレナタ・セベレディ(ハンガリー)を3‐0の判定で破り、初の世界王座に就いた。真道は昨年7月に米国で判定負けした一戦に続き、2度目の世界挑戦。左右のボディーや多彩な連打で圧倒して優位に試合を進めた。
序盤から前に出続け、ボディーや多彩な連打で圧倒した。2度目の挑戦で世界のベルトを手にした真道は「倒したかったが、勝てて良かった」と興奮気味に話した。
本名は橋本めぐみ。中学の時に女性を好きになり、自身の性別への違和感を持った。大学では恋愛絡みで居場所がなくなり休学。夜遊びばかりしていた真道の目を覚まさせたのが母恵美子さん(54)の言葉だった。
「男だろうが女だろうが、笑顔で生きたら私は幸せ。頑張って目標を見つけて生きたら、もっと輝ける世界が待っているんじゃないの?」。一念発起、目標へ進む中で家の近くのジムでボクシングに出合い、没頭した。
会場で見守った恵美子さんは「言葉がない。胸がいっぱい」と万感の思い。真っすぐに信じた道を突き進め、との願いが込められたリングネーム。名前通り、一つの目標に到達した真道はチャンピオンベルトを巻き「ボクシングがなかったら今ごろ何をしているかな、という自分だった。ボクシングは自分の全て」と晴れやかに笑った。