村田あるぞ来年シンガポールで世界挑戦

 「ボクシング6回戦」(25日、有明コロシアム)

 25日に東京・有明コロシアムでプロデビュー戦に臨むボクシングのロンドン五輪ミドル級金メダリスト村田諒太(27)=三迫=が23日、都内のホテルで公式記者会見を行った。会見に同席した「トップランク」社のボブ・アラム氏(81)は、「ムラタは世界の歴史に名を残すボクサーになる」と絶賛。来年にもシンガポールでの世界タイトルマッチを実現させるプランを明かした。また、同日にスカイアリーナ座間で日本ライトフライ級王座に挑む井上尚弥(20)=大橋=も、史上最速タイとなるデビュー4戦目でのタイトル奪取へ闘志をのぞかせた。

 いよいよプロボクサーとしてリングに上がる村田に、世界でもトップ級の心強いサポートが味方する。決戦を2日後に控えて設定された公式記者会見。壇上の前列中央には米国最大手トップランク社のボブ・アラム氏の姿があった。帝拳ジムとともに村田を共同プロモートする同氏は、「ムラタは世界タイトルを取って当然の才能がある。(マービン)ハグラー、(シュガー・レイ)レナード、(トーマス)ハーンズのように世界の歴史に名を残すボクサーになるだろう」とミドル級の名王者を引き合いに出して称賛。世界進出の戦略を惜しげもなく披露した。

 現在、アラム氏はアジアでのプロモーションを展開しており、その拠点となるのがマカオとシンガポール。すでにマカオでは北京、ロンドン五輪でライトフライ級を連覇した鄒志明(ゾウ・シミン=中国)がプロに転向して2戦しており、村田をシンガポールの興行の目玉にしたい考え。高級ホテル「マリーナ・ベイ・サンズ」でのビッグマッチを計画しているという。

 さらにアラム氏は長いラウンドを戦うフィジカルや、さまざまなスタイルの相手と戦えることを証明する必要があると前置きしながらも、「彼はデビュー戦でイージーな相手を選んでいない。比較的早い段階でタイトルに挑戦できるはずだ」と断言。いきなり東洋太平洋ミドル級王者柴田明雄(31)=ワタナベ=と対戦することを高く評価した。

 順調にキャリアを積めば、2014年中にもシンガポールで世界戦のリングに立つ可能性は十分。「プレッシャーはあるが、やりがいも感じている。アラムさんに試合を見てもらえるし、アピールするチャンスだと思う」と村田は意気込みを語った。金メダリストから世界チャンピオンへ、日本初の偉業へ第一歩を踏み出す。

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