村田が圧勝プロデビュー!2回TKO

 「ボクシング6回戦」(25日、有明コロシアム)

 村田、圧巻のプロデビュー‐。ロンドン五輪のボクシングミドル級で日本人48年ぶりの金メダリストとなった村田諒太(27)=三迫=が25日、東京・有明コロシアムでプロデビューし、ノンタイトル6回戦で、東洋太平洋ミドル級王者の柴田明雄(31)=ワタナベ=を右ストレートで圧倒し、2回2分24秒でTKO勝ちした。超大物プロモーターの米国「トップランク」社のボブ・アラム氏(81)がリングサイドで観戦した中、最高の結果を出して世界チャンピオンへの確かな第一歩を踏み出した。

 金メダリストは、やっぱり本物だった。村田がパンチを繰り出すたびに、ファンから何度もどよめきが起こった。両手を高く構えたガードで固めて、強烈な圧力をかけて前進。フットワークを使って動き回りたい柴田をジワジワと追い込むと、左ボディーから右ストレートの鋭いコンビネーションがビシビシと決まった。

 最初の見せ場は1回2分30秒過ぎ。柴田がやや後退したところにグイッと伸びる右ストレートを打ち抜くと、東洋太平洋王者が腰からガクッと崩れ落ちた。何とか立ち上がった柴田だがダメージは深刻だった。

 2回に入ると、村田はさらにギアを上げて仕留めにかかった。顔面をガードでカバーしつつ、笑みさえ浮かべてジャブ、アッパーとさらに多彩なパンチで攻め込む。2分過ぎにワンツーから右ストレートが顔面にヒットすると、福地レフェリーがストップ。324秒にわたる圧巻のパフォーマンス。ワンサイドに試合を支配して、記念すべきプロ初勝利を飾った。

 リングに登場する時から笑顔を見せ、花道では観客とタッチする余裕もあったが、試合を終えると少しホッとした表情をのぞかせた。「プロのリングに立てたことを幸せに思う。そして、この試合を受けてくれた柴田選手に感謝したい。80点くらいはあげてもいいですか」と評価した。

 もちろん、世界の頂点を目指すためには、進化する必要があることは分かっている。「客観的に見て、今の自分では、クイリン(WBO)とゴロフキン(WBA)の2人には勝てないと思う」。現役ミドル級世界王者の名を挙げて、さらなる高みを誓った。

 着用した白いトランクスには、ゴールドで「BIG DREAM(大きな夢)」の文字を入れた。「まだスタートラインに立ったばかり。誰もが認める世界チャンピオンになりたい」。五輪金メダリストから世界チャンピオンへ。日本人では誰も達成していない偉業へ、村田は無限の夢と可能性を求めて戦い続ける。

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