「ＩＮＯＫＩ　ＢＯＭ‐ＢＡ‐ＹＥ２０１３」（１２月３１日、両国国技館）

　藤田和之（４３）‐石井慧（２６）の対戦が正式発表された。ＩＧＦ　ＭＭＡ（総合格闘技）ルールで行われ、藤田のＩＧＦ王座が懸けられる。プロレスのタイトル戦をＭＭＡルールで行うのは初。初めてベルトに挑む石井は、推定２億円という価値に気合が高まり、「勝ったら質に入れて鑑定してもらう」と鼻息を荒くした。

　日本人最強決定戦が実現する。ＭＭＡで実績を残し、ＩＧＦ王座を４度防衛中の藤田と、０８年北京五輪柔道男子１００キロ超級金メダリストで、ＭＭＡ６連勝中の石井が大みそかに雌雄を決する。

　ＭＭＡルールで行われる大一番にＩＧＦ王座が懸かる。プロレスのベルトが総合ルールで争われるのは前代未聞。石井戦が浮上した際、「（プロレスと）同じ戦い」と意に介さなかった藤田は、この日も「ベルトが懸かった以上、持つものの宿命として勝つのは当たり前。すごい試合を見せたい」と言い放った。

　目の色を変えたのは石井の方だった。「ベルトを懸けて戦うのは初めてなんで、１回取ってみたい」。推定価値が２億円と知ると、「取ったら質店に持って行って鑑定してもらう。２億がウソなら言う」と予告。至宝をまじまじと見つめ、「（ちりばめられた石を）ダイヤモンドだと思いたい」と笑った。また、早くも防衛戦を思い浮かべ「ＭＭＡルールで強い選手とやりたい。ヒース・ヒーリング選手とか。でも、まずは質」と口にした。

　アントニオ猪木ＩＧＦ会長から「闘う魂をリングから送るような試合を届けて欲しい」とエールを送られた両者。互いについて「日本人で最も強い選手なのかな」（石井）、「今年になってどんどん調子を上げて成長している」（藤田）と印象を語った。

　吉田秀彦‐小川直也（０５年）、吉田‐石井（０９年）ら大物日本人対決で沸いた大みそか決戦に、新たに加わる黄金カード。２０１３年は力を認め合う２人による、かつてない激しい戦いで締めくくられそうだ。