「ボクシング８回戦」（１２月６日、両国国技館）

　ボクシングのロンドン五輪男子ミドル級金メダリストで日本、東洋太平洋同級１位の村田諒太（２７）＝三迫＝が２６日、村田をプロモートする都内の帝拳ジムで、デーブ・ピーターソン（２７）＝米国＝とのプロ第２戦へ向けた米国ラスベガス合宿から帰国後の初練習を行った。また、帝拳ジムの本田明彦会長（６６）は、村田が来年２月２２日に中国マカオで第３戦を行うことを明言した。

　早くも村田が海外デビューする。先日、来年２月２２日にマカオで第３戦を行う計画があると海外で報じられたが、本田会長はこの日「２月２２日は決まり」と認めた。

　マカオは、村田と契約する米大手プロモーターのトップランク社が中国市場開拓を目指して進出し、ボクシングの聖地となりつつある。同社の興行で、会場は巨大カジノホテル「ベネチアン・リゾート」にあるコタイ・アリーナ。２４日に元世界６階級制覇のマニー・パッキャオ（フィリピン）が３戦ぶり勝利を挙げた会場だ。

　村田のほかにも鄒市明（ゾウ・シミン、中国）、イーゴリ・メホンツェフ（ロシア）と３人の五輪金メダリストが出場し、世界戦も２つ行われる。

　本田会長によれば、「ベネチアン・リゾート」は日本からの集客を期待しており、「村田なら喜んで使うだろう。（ピーターソン戦は）ベネチアンの責任者が見に来る」とのこと。さらに、「１０月にはシンガポールでやるかもしれない」とのプランも明かした。

　この日、村田はミット打ちなどで約２時間調整。合宿では約１００ラウンドのスパーリングをこなすなど、体のバランスやプロの長丁場を戦うスタミナを強化し、「いい練習ができた。１００点です」と手応えをつかんだ。

　次戦は、その成果が試される。「成長するために長丁場も経験しなければならない。次が判定になったとしてもポジティブにとらえる」と話したものの、「でも、お客さんに見に来てもらうのがプロ。ＫＯを狙うのがボクの仕事」と自覚を示した。豪快勝利で海外進出に弾みをつける。