村田、リング上で謝罪「不細工な試合」
「ボクシング8回戦」(6日、両国国技館)
ロンドン五輪男子ミドル級金メダリストで、日本と東洋太平洋同級1位の村田諒太(27)=三迫=がデーブ・ピーターソン(米国)とのデビュー2戦目に臨み、8回1分20秒、TKO勝ちで2戦連続KO勝利につなげた。村田はプロ初の外国人選手を相手に連打をもらうなど、苦戦する場面もあったが、最終8回に連打を浴びせストップを呼んだ。
苦しんだ末の2戦連続KO勝利だ。リング上で、村田は「不細工な試合で、来てくださったお客さんに申し訳ないです」と頭を下げた。
村田はガードを固めてプレッシャーをかけ、得意の左ボディー、右フックなどで攻め立てた。だが、重量級の本場・米国出身で、ダウン経験のないピーターソンは手ごわい。打たれても手数を出して、中盤には優位に立った。
4回に連打を浴びた村田は若干ふらつく場面もあったが、6回以降に左ジャブが決まりだし、ペースをつかんだ。そして8回、ロープ際でラッシュを浴びせてスタンディングダウンを奪うと、攻撃の手を緩めず、レフェリーのストップを呼んだ。
「ちょっと硬くなってしまった。1戦目をいい形で勝って、今回もというプレッシャーもあった」と振り返った。さらに「反省ばかり。ジャブが出ないうちはガードを固めて前に出るだけで、アマチュアの時なら負けるパターンになりかけていた」と唇をかんだ。
それでも、自身最長のラウンドを戦ったことを「8回できて、TKOに持っていけたのはポジティブに考えてもいい」と、収穫も口にした。
村田をプロモートする帝拳ジムの本田明彦会長は「後半に倒しにいって倒せたのはさすが。こういう試合をして、いいキャリアを積むのが大事」と評価。来年2月22日、中国マカオでのトップランク社の興行に村田が出場することを明言していたが、あらためて「次は向こう」と認めた。
村田は「これから海外で試合があると思うので、いい試合をやれるようにしたい」と意欲を見せながらも「今日の試合だと、ボクが勝ってきた相手に失礼」と反省も忘れなかった。ボクシング界の至宝が、苦戦を糧に海外へ羽ばたく。