石田ヘビー級盛り上げる 藤本戦へ意欲
ボクシングの角海老宝石ジムは14日、都内で会見を開き、同ジム所属の日本ヘビー級王者・藤本京太郎(27)と元WBA世界スーパーウエルター級暫定王者の石田順裕(38)=グリーンツダ=がヘビー級ノンタイトル戦(4月30日、東京・後楽園ホール)で対戦することを正式発表した。6回戦以上を予定しているが、両陣営はミドル級からヘビー級に転向した石田の日本ランク入りを働きかけ、日本ボクシンングコミッション(JBC)に日本王座戦の認定を求める方針だ。
タイトル戦はあきらめない。石田は「尽力してくださったみなさま、試合を受けてくれた京太郎選手に感謝します」と頭を下げた。
石田がヘビー級転向宣言したことから持ち上がった話は紆余(うよ)曲折を経た。4階級上げることにJBCが難色を示し、現在も石田の日本ランク入りは見送られている。
対戦の実現に向けて、両陣営は1000万円の賞金をかけた10回戦の実施で注目を集めた。だが、JBCは「体重差」「危険性」を理由に6回戦を推奨し、この日に至った。
両陣営はJBCの提案通りに行動したこと、1978年に日本でミドル級選手がヘビー級選手に勝った前例があり、「危険性」は伴わないことなどを強調。スパーリング映像などの資料を提出して、2月か3月の日本ランク入りを働きかけ、日本王座戦認定を求める考えを示した。
石田は「タイトルへのこだわりはない。ラストマッチのつもりでいる。ヘビー級を盛り上げるために、面白い試合をしたい」と意欲十分。ボディービルジムで最新のトレーニングを行い、体重は82キロから88キロへと、ヘビー級(90・7キロ以上)目前まで増量している。
3月中旬からは約1カ月間の米国合宿を行い、ヘビー級世界ランカーとスパーリングも予定。「パワーじゃなく、スピードとスキルで挑む」と戦いをイメージ。世界の舞台で活躍した38歳が最後の輝きを見せる。