怪物井上、次戦は2階級上まで転級視野
ボクシングの日本最速記録となる6戦目で世界王座を奪取したWBC世界ライトフライ級王者・井上尚弥(20)と3度目の防衛に成功した同フライ級王者・八重樫東(31)=ともに大橋=が試合から一夜明けた7日、横浜市内の所属ジムで会見した。減量に苦しんだ井上は2階級上のスーパーフライ級まで視野に入れた転級を示唆。次戦で39戦全勝と軽量級最強のローマン・ゴンサレス(26)=ニカラグア=の挑戦を受ける八重樫は、さらなる肉体改造に着手する考えを示した。
圧勝を物語るようにダメージを感じさせない明るい笑顔で現れた“怪物”井上。「うれしいです。家に帰って試合の映像を見て、チャンピオンになったという実感がジワジワわいてきた」と心境を語った。
だが、手にしたベルトは早期に手放すことになりそうだ。成長を続ける体は減量が限界に近づき、その影響で試合中に左太もも裏がつるアクシデントが発生。前日に王座返上、転級を示唆した所属ジムの大橋会長は「今の階級ではかわいそう。フライ級よりスーパーフライ級に上げる方がいいかも」と、2階級上げる考えを示した。次戦は未定だが、前王者がオプションを持つなどの課題もあり、会長は即時転級の可能性については「いろいろ相談してから」と話すにとどまった。
井上自身も「1・9キロも違うんでフライ級がいいですが、のびのび動けるのはスーパーフライ級だと思う」と、会長の考えに賛同。日本記録に並ぶ3階級制覇の可能性も出るが「記録より、記憶に残る試合をして認められたい」と意識しなかった。10日に21歳の誕生日を迎える井上は、来週から練習を再開する。