長谷川 3年ぶり世界戦勝っても引退か
「IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(23日、大阪城ホール)
3年ぶりの世界戦に挑む元世界2階級王者・長谷川穂積が17日、勝っても現役引退する可能性が出てきた。「それぐらいの気持ちでやるということ」と気持ちが燃え尽きた場合、3階級制覇を花道にグローブを置くことも辞さない覚悟だ。
これまで「負ければ引退」を明言してきたが、今回の勝敗は進退とは無関係。正真正銘の“ラストマッチ”と完全に退路を断った。
2010年4月に10度防衛したWBC世界バンタム級王座を陥落。最愛の母が亡くなった後、同11月に同フェザー級王座を奪取して2階級制覇。「その時点で僕のボクシング人生は終わっていた」と長谷川。11年4月に同王座を陥落したが、「抜け殻だった」と明かす。
その後のボクシングは「おまけ」の認識で、自らを納得させるための戦いだった。今年2月の沖永良部キャンプでは「勝っても負けても笑っていたい。それが目標。今回はこの試合をやり切るのが目標。究極の自己満足」と、これまでの戦いとは違う心境を吐露していた。
16日には計137ラウンドをこなしたスパーリングを打ち上げ、「描いていた以上」に仕上がった。やり残しはない。4・23にすべてをかけ、「やり切った」と思った時、王座にすら未練なく、第二の人生を歩み出すつもりだ。