長谷川、原点の「青」で3階級制覇へ
「IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(23日、大阪城ホール)
ダブル世界戦の調印式とルール会議が21日、大阪市内で行われ、出場4選手が会見した。3階級制覇に挑む挑戦者・長谷川穂積(33)は05年4月、バンタム級で初の王座を奪取した時以来となる青色のグローブを選択。初心にかえり、進退をかけた一戦に臨む。調印式はWBCだけ実施され、立会人の来日が遅れたIBFは22日に延期された。
引退覚悟の一戦に、長谷川が選んだのは9年ぶりとなる「青」のグローブだった。05年4月16日、WBC世界バンタム級王座戦で王者ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)を判定で下し、初戴冠した時以来の色。黒など数色の選択肢がある中、あえて9年前の自分に戻る気持ちを込めた。
「挑戦者なので、初心にかえるという意味。見ている人も分かりやすい。殴り合ってどっちが強いか、リングの上でやるだけ。非常に厳しい戦いになる」。
10度防衛したバンタム級王座では後半、KO勝利が増えたが、本来はスピードを生かした高い防御が持ち味。今回は原点回帰の“打たせず打つ”が攻略法だ。青の拳が強打を封じ、王者を“真っ青”にさせる。
会見で王者からは「偉大な王者だが、過去のタイトルは忘れ、勝つことだけ考えて戦え!!」と挑発された。長谷川に守る意識など皆無だ。「王者も僕も考えていることは近い。ベルトはどうでもいい。リングでは勝つことだけ」と、集中力を高めた。
会見後は神戸市内の真正ジムに戻り、3ラウンドのミット打ちと最後の練習を行った。気持ち次第では勝っても引退の可能性のある“ラストマッチ”。「僕が納得できる試合をする」と、レジェンドレフトは完全燃焼を期した。