「全日本」（１６日、後楽園ホール）

　不整脈など体調不良による欠場から４カ月ぶりに復帰した曙が、大森隆男をヨコヅナインパクトで沈め、復活をアピールした。久々のリングに「緊張しまくった」という横綱は３０日・名古屋で挑む３冠王者のジョー・ドーリングとのタックル合戦やエルボードロップで会場を沸かせた。

　秋山と組み、ドーリング＆大森が相手という“新旧３冠王者タッグ対決”に曙は「必死でした。あれだけ強い選手が集まって復帰戦なんてとんでもない」といいながら明るい表情。「（試合勘は）まだまだ。タッグとシングルは違う」と言いながらも、「タイトル戦までにベストに持っていきたい。あとは試合のスタミナ。（欠場前の）４月と比べれば全然（問題ない）」と手ごたえを感じた様子だった。

　標的のドーリングについては「タックルは（入院中の）看護婦さんの注射より痛かった。一発で緊張が吹っ飛んだ」とジョークを交えながらも警戒を強めた。試合後、復帰あいさつをした際「３０日に、預けたベルトを必ず取り戻します」とファンに約束した元横綱。体調は「絶好調」というだけに、調整さえ順調にいけば、返上した王座奪回にグッと近づく。