公認会計士の卵・高木千愛TKO負け
「ボクシング4回戦」(18日、後楽園ホール)
高木千愛(21)のプロデビュー戦は2RTKO負けだった。1Rに鼻血を出し、2Rに連打されたところでレフェリーに止められ「え?」と物足りなさそうな顔を見せた。
19歳で超難関の公認会計士試験に合格し、9月にプロテストに合格した異色の女子大生(中大商学部3年)のデビューをNHKとテレビ朝日のカメラも追った。
高木は「緊張はしなかった。でも、練習したことができなかった。もうちょっとやりたかった」と振り返った。渡辺均会長は「気持ちが強い。いい経験になったと思う」と健闘を評価した。
リングサイドには母・君子さん(48)の姿があった。プロボクサーになったことも知らされていなかったが、「東京の知人がデイリースポーツを送ってくれて知りました」と岐阜から上京。
女手一つで育てた娘が闘う姿を目の当たりにし、いたたまれぬ様子だったが、試合後は「楽しかった」とさわやかな笑顔の娘に心を動かされた。「子供が一生懸命やっている姿を見たら、親は理解して一生懸命応援したい」と受け止めた。負けはしたものの、母子の絆は深くなった。