天笠、リゴンドー戦 勝率1%に賭ける
「WBA・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(31日、ボディメーカーコロシアム)
東洋太平洋フェザー級王者の天笠尚(29)=山上=が、WBA・WBO世界スーパーバンタム級統一王者のギジェルモ・リゴンドー(34)=キューバ=に挑戦することが1日、都内で発表された。スピード、技術、パンチのキレのどれをとってもトップクラスの最強王者と闘うビッグチャンスを手にした天笠が、今世紀最大の番狂わせを狙う。
山上哲也会長は「天笠には運がある」と繰り返す。今回の挑戦も、その運がもたらした。打診された別のボクサーが断った後、声が掛かった。
「リゴンドーとやるのは、ある意味、世界チャンピオンになるより難しいと思う。99%勝てないと思うけど、油断してくれたら1%のチャンスはある」と、天笠は謙虚さの中に強気ものぞかせる。
自身初の世界戦、しかも1階級下のスーパーバンタム級の試合も初めて。「減量は苦にしない。試合1週間前までにフェザー(約57キロ)に、そこから1・8キロ落とす。体力を落とさないようにしたい」という計画だ。
いつかは世界戦-の思いが実った。日本王者時代、元WBC世界ライト級王者のガッツ石松氏のコーチを受けた。15キロのリュックを背負って姿勢を矯正され、世界を目指す気持ちの持ち方も伝授された。「ガッツさんに教わったことを思い出して頑張ります。精神面の教えはきっと役に立つ。“幻の右”も出せれば…」と話した。
会見の席上、「天笠、覚悟しておけ。日本に倒しに行くぞ!」というリゴンドーのビデオメッセージが流された。苦笑いを隠せない天笠は「自分は当て勘がいいのでそこに賭けたい。打って来た瞬間、打ち返して相打ちを狙う」と、必殺のクロスカウンターで大金星を狙う。