“だんじり魂”川島が大逆転KO勝利
「ボクシング・全日本新人王決定戦」(21日、後楽園ホール)
ミニマム級からミドル級までの全12階級の全日本新人王が決まった。スーパーバンタム級の川島翔平(22)=真正=が“だんじり魂”で4回、大逆転KO勝利し技能賞を獲得。ウエルター級の別府優樹(23)=久留米櫛間=が2回KOで最優秀選手賞(MVP)に輝いた。東西対抗は6勝6敗で通算成績は6勝49敗6分けとなった。
さすが“お祭り男”だ。川島は4回、狙い澄ました右のカウンターを顔にさく裂させた。フラフラの松戸は試合続行不能。3回までの劣勢を一発KOでひっくり返した。
サウスポー対策としてジムの大先輩、元世界2階級王者・長谷川穂積(34)の胸を借り、スパーリングを繰り返した。「上下に(攻撃を)散らせたらフェイントにかかる」との教えが生きた。
大阪府貝塚市出身。ボクシングは小学6年から始めたが、中学になると、地元の「だんじり祭」にものめり込んだ。名門・興国高に進んだものの、2年の時、試合と日程が重なった祭りを優先、部も学校も辞めた。19歳の時にボクシングに戻ることを決め、「大阪にいると、だんじりの誘惑に負ける」と、神戸の真正に入門した。
今は「ボクシングの方が好き」と言うが、だんじり魂は健在。試合前には祭りの映像を見て闘志を高める。技能賞に輝き日本ランク入り。「タイトルマッチをしたい」と早期の大舞台を見据えた。