和気、自力でつかんだ世界への切符!
「IBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦」(10日、後楽園ホール)
IBF世界スーパーバンタム級6位の和気慎吾(27)=古口=が同級3位のマイク・タワッチャイ(29)=タイ=を3-0の大差判定で下し、王座指名挑戦権を獲得した。和気は、7月18日に米テキサスで行われる同級王者カール・フランプトン(28)=英国=と同13位アレハンドロ・ゴンサレス・ジュニア(22)=メキシコ=の勝者に挑戦する。
もう手放さない。自力でつかんだ世界への切符。和気は「(世界獲得の)チャンスは一回と思っている。モノにして必ず日本に持って帰って来ます」と早くも世界奪取宣言だ。
立ち上がりからリズムよい攻めでペースを握った。3回には左目上を切り裂いて流血させ、近づけば左アッパーを効果的に決めた。
しかし、タフなマイクを倒し切れない。ようやくダウンを奪ったのは最終12回、残り5秒だ。KOには至らなかったが、大差判定勝ち。それでも「倒し切れなかったのは反省。会場から“倒せビーム”が出ているのに応えられなかった」と反省。古口会長も「あれを倒せなきゃ世界王者になれない」と辛口だ。
和気は昨年、2つの世界挑戦の大チャンスを逃した。最初は11月、WBA世界スーパーバンタム級王者スコット・クイッグ(英国)戦を負傷で。二度目は大みそか、WBA・WBO世界スーパーバンタム級統一王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)戦を、自身の甘さから手放してしまった。
一歩間違えばボクシング人生にピリオドを打ちかねなかった2つの大失敗。そんな経験をしているだけに、この切符の重みはだれよりも分かっている。
プロモーターを務める金平桂一郎協栄ジム会長は「世界戦の準備に入る。できれば日本でやりたい」と言う。和気が三度目の正直で世界戦をゲットした。