全日本プロレスの３冠王者・曙が２５日、横浜市内で、故ジャイアント馬場さんの夫人、馬場元子取締役相談役から、馬場さんが生前使用していた愛車のキャデラックを譲り受けた。以前から元子相談役の意向を聞いていたというが、４月のチャンピオン・カーニバル制覇、５月の３冠王座奪回の際は丁重に断っていた。「めっそうもないと。でも（６月２１日に）１回防衛して、いただくことになった」と恐縮しながら、鍵を受け取った。

　９９年１月に６１歳で死去した馬場さんが、９８年５月に登録したクリーム色の愛車は、ナンバーが代名詞・１６文キックの『１６』。元子相談役は「私が知っているチャンピオンは、みんな大きい人。馬場さんも喜んでいると思う。早くこういう人に出てきてほしかった」とコメント。試乗した元横綱は「最高。やっぱり昔の車はいい。イスは軟らかいし、広い。毎日磨いて練習時間が短くなるかも」と笑顔を見せた。

　馬場さんのためにもふがいない戦いは見せられない。“お宝”を手に入れた曙は「全日本の横綱として、もっと練習して、とんでもない王者になりたい」と精進を誓った。