若の里、故郷青森巡業 区切りの土俵
大相撲秋場所での幕下転落が確実で、引退が濃厚の十両若の里(39)=田子ノ浦=に悲報が届いた。父・古川(こがわ)善造さんが17日に心筋梗塞のため、72歳で亡くなった。19日、故郷・青森県で行われた八戸巡業に参加した若の里は「明日まではおやじのことは忘れてしっかりやる」と、現役最後となる可能性が高い20日の同県七戸町での巡業まで精いっぱい務めを果たすことを断言した。
ショックを隠せなかった。兄・善一さんから連絡をもらった若の里は前日18日、八戸入り前に同県弘前市の実家に寄って線香をあげた。最後に会ったのは昨夏で「体調は決して良くなかったけど、亡くなるほどじゃなかった。巡業を見に来てほしかった」とうつむいた。
名古屋場所を4勝11敗で終え、1997年九州場所から守った関取の座を失うことになる。夏巡業後の引退表明が有力だが「千秋楽を取り終えておやじも力が抜けちゃったのかな」と自身の姿に亡き父の思いを重ねた。
同じ青森県出身で先代師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)は2011年に急逝した。実父と相撲界の父の「2人の父親」を亡くした。「2人とも『あとはしっかりやれよ』って言っているんじゃないか。あとはもう自分で生きていくしかないよね」。2人のためにも最後まで若の里は勇姿を見せ続ける。