高野“幻の右”で2階級王者をKO寸前
「ボクシング・WBO女子世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(11月11日、後楽園ホール)
世界初挑戦を控える東洋太平洋女子スーパーバンタム級王者高野人母美(28)=協栄=が7日、東京都内のジムで、軽量級世界最強と言われる世界2階級制覇の藤岡奈穂子(40)=竹原&畑山=と8回のスパーリングを行った。
高野の幻の右がさく裂した。不用意に飛び込んできた藤岡の顔面に右フックがカウンターでヒットすると、藤岡の体が一瞬、宙に浮いた。藤岡の所属ジムの元世界王者竹原慎二会長は「試合なら藤岡のTKO負け」とうならせるほどの右だ。しかし、これが藤岡を本気にさせた。パンチの雨あられで高野は鼻から大流血。キャンバスが朱に染まり、リングは修羅場と化した。
藤岡は「カウンターは天性のものを持っている」と言えば、高野も「勉強になりました」。高野はWBO世界スーパーフライ級王者ダニエラ・ベルムデス(アルゼンチン)に挑戦する。