【スポーツ】君は拳四朗を見たか

 ボクシング界に新たなスター誕生の予感だ。その名は拳四朗(けん・しろう)、京都のBMBジム所属の23歳。12日に自身初タイトルとなるWBCユース世界ライトフライ級王座を獲得したばかりの右ボクサーファイターだ。

 日本の軽量級には、スーパーフライ級の井上尚弥(大橋)、河野公平(ワタナベ)、フライ級の井岡一翔(井岡)、ライトフライ級には田口良一(ワタナベ)、そしてミニマム級に高山勝成(仲里)、田中恒成(畑中)と世界王者が名を連ねる。拳もこの中に割って入る逸材だ。

 関西大時代の13年に国体で優勝し、14年8月のデビュー以来5連勝。12月27日には、日本王者の堀川謙一(SFマキ)への挑戦も決まっている。35歳のベテラン相手にも「自信はある。足を使い、ジャブを多く出せば勝てる」と言い切る。

 拳の魅力はスピードとテクニックあふれるファイトスタイルだが、それを際立たせるのがルックスとのギャップだ。失礼ながら、一見中学生でも通りそうな色白の童顔。かわいい顔をして5勝のうち3つがTKO勝ちだ。

 ジムの会長は、父親で元東洋太平洋ライトヘビー級王者、日本ミドル級王者の寺地永(てらじ・ひさし)氏。ケンシロウの名は「北斗の拳」からもらい、寺地拳四朗が本名(次男)。ボクシングでは名前だけのリングネームは認められないため、本名使用を打診されたが「本人の希望でリングネームは“ケン・シロウ”にしています」(寺地会長)と笑った。顔はそぐわないものの、繰り出す拳の鋭さはケンシロウだ。

 面影は父親譲りだが、身長189センチの父に対して拳四朗は164センチ。父は24戦のキャリアで20勝(11KO)1敗3分、1敗は日本ミドル級王者時代の竹原慎二戦。拳四朗は父の後を追い、まずは国内3組目の親子王者(過去にライオン野口・恭、カシアス内藤、律樹)を目指す。そして「どんどん上のベルトを取っていきたい」と、世界のケンシロウを狙っている。

(デイリースポーツ・津舟哲也)

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