天龍、中学の後輩・北の湖理事長を追悼
15日に引退試合を行った元大相撲前頭筆頭で元プロレスラーの天龍源一郎(65)が26日、20日に62歳で死去した北の湖理事長をしのんだ。「中学(東京・両国中)の後輩だけど、頑張って横綱になった。24回優勝して、強い横綱だった。同世代の人が亡くなるのは寂しい」と視線を落とした。
故北の湖さんについて思い出されることはいくつもある。「あの人が三段目のとき、鼻歌を歌いながら相撲を取って勝った。『何だ、こいつ?』『すごいな、こいつ』と思ったのが小畑敏満。のちの北の湖。本当に強かったし、後輩育成を積極的にやってた」と故人の“怪童”時代をなつかしんだ。
幕内対戦成績は1勝1敗。「その1勝したときは、彼が前の日にひざかどこかを痛めた。『次の日、これは休場だな』って思ったら、『えっ、出るの?』ってなった。負けたら恥ずかしいと思って、がっぷり四つで寄り切って勝ったけど、やっぱり力が入ってなかったね。でも、向こうは関脇くらいだったけど、出てきた姿勢がすごい」。天龍は抜群の記憶力で当時を振り返った。
さらに、北の湖理事長の人柄を絶賛した。「大鵬さんに似ていて、地位が上がっても、威張ることもおごることもなかったから、みんなに慕われた。一生懸命、相撲道に精進した人。理事長を2度やれたのも人望があったということ」と称えた。
近年はあまり会う機会はなかったというが、相撲開催地での興行時などに理事長室へあいさつに行くと「おお~」と迎えてくれたという。「何年か前にNHKの相撲解説に呼ばれたときも会ったね」と明かすと、再び「同年代の人の訃報は悲しいよ」と無念そうに口にした。