田中恒成、ライトフライ視野に王座返上
ボクシングのWBO世界ミニマム級王座を昨年大みそかに初防衛した田中恒成(20)=畑中=が、階級を一つ上げたライトフライ級での世界戦を視野に、5月28日に契約体重50キロでノンタイトル10回戦を行うことが7日、発表された。WBO王座は同日付で返上した。年内に狙う2階級制覇前哨戦の相手はIBF世界ライトフライ級9位のレネ・パティラノ(24)=フィリピン=、会場は名古屋市熱田区の名古屋国際会議場に決まった。
階級を上げて迎える7戦目はノンタイトルとなった。井上尚弥(大橋)の8戦目を上回る世界最速の2階級制覇は消滅。WBOのタイトルを狙うプランもあったが、交渉は不調に終わった。
相手に決まったのは右ボクサーファイターのパティラノだ。18戦15勝(7KO)1敗2分と田中の3倍を誇るキャリアを持ち、現在7連勝中。勢いに乗る相手に勝てば、ライトフライ級王座挑戦が見えてくる。田中が望むのは日本人対決だ。
「日本でやるなら日本人とやった方が盛り上がる。過信かもしれないけど、戦える自信はあります。強いて言うなら田口選手かな」
あえて挙げたのは同級のWBA王者・田口良一(ワタナベ)。同級はIBF王者・八重樫東(大橋)もいる。目標を5階級制覇に置く20歳。こだわるのは、カード以上に自身の戦い方だ。
「これからはどんな相手と、どんないいボクシングをしていくか。第2章というか、再スタートを切った気持ちです」。2本目の世界ベルト奪取に向かう田中の第2章がスタートした。