WBCジャッジにヘッドホン案 効果は

 WBCのマウリシオ・スライマン会長が先日、来日した。8日にはWBC世界バンタム級王者の山中慎介(33)=帝拳=の10度目の防衛を表彰し、日本ボクシングコミッション(JBC)の秋山弘志理事長や日本ボクシング協会の渡辺均会長と会談し、選手の安全面の向上、ファン開拓などのボクシング改革案を披露した。

 中でも耳新しく感じたのが、ノイズキャンセリング(防音)ヘッドホンをジャッジに着用させるというプラン。観客の声援やセコンドの指示、激励などに迷わされることなく採点できるとか。

 スライマン会長は「場内の歓声やセコンドの声など外野の音を遮断して、より公平なジャッジをするためです。昨年10月からパナマやフィリピンなど数カ国で導入し、まだ実験段階ですが好ましい効果が出ている。最終的には4回戦まですべての試合に導入したい」と自信を見せた。

 今回の来日では、日本も取り入れるよう求めた。秋山理事長は「試してみたい。いいものなら取り入れたい」と前向きに受け止めた。

 しかし、現場の審判員の中には、疑問の声もある。ジャッジの基本は(1)有効打(2)アグレッシブ(攻勢)(3)リングジェネラルシップ(主導権)(4)ディフェンスだが、あるベテラン審判は「パンチの入った音が大きな判断要素になることもある。耳をふさがれてしまうのはいかがなものか」と、懐疑的だった。

 JBCは、年内にもテストを開始する方針。果たして、ノイズキャンセリングヘッドホンは導入されるだろうか。(デイリースポーツ・津舟哲也)

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