ロンドン銅メダル・清水がプロ転向報告
12年ロンドン五輪のボクシング男子バンタム級で銅メダルを獲得した清水聡(30)が1日、大阪市内で日本ボクシング連盟の山根明会長にプロ転向の報告を行った。所属先は大橋ジムに決まり、近日中に大橋秀行会長が山根会長を訪問する予定。また所属のミキハウスは退社となり、この日は挨拶のため、大阪の本社を訪れた。
リオデジャネイロ五輪の国内選考会で敗れた後、プロ転向の思いが強くなった。清水は「人生1回なので挑戦したい気持ちになった」と説明した。
34歳で迎える東京五輪はさすがに現実味がなく、30歳のプロはギリギリのチャンスだった。「内山さんのように30歳過ぎてもバリバリやっている人もいる」と、元WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(36)=ワタナベ=らの存在を目標に挙げた。
山根会長は「ボクシングだけじゃなく、人間的にも素晴らしく、孫みたいな存在」と言い、清水には将来の連盟の幹部候補生として期待を寄せていた。それだけに、無念の思いから何度も「さみしい」とため息をついた。
ロンドン五輪の国内選考会では会長が敗れた清水を推薦し代表入り。結果的に44年ぶりメダルを獲得させた。「清水は海外なら勝てると思った。男の夢やな。清水で勝負をかけた。山根明の誇りであり、死ぬまでこの誇りを持って生きていく」と、まな弟子に感謝の言葉を並べた。
会長からは「プロに行く以上、1、2年で世界チャンピオンに」と厳命された。清水は「分かりました。必死にやります。アマチュアに恥じない選手になる」と即答した。
清水は08年北京五輪にフェザー級で出場し、ロンドン五輪ではミドル級で金メダルを獲得した村田諒太(現帝拳)とともに44年ぶりの五輪ボクシング日本人メダリストとなった。ライト級でリオ五輪を目指したが、国内選考会で敗れた。