プロレス 藤田和之登場で抗争突入 ワンマッチ興行でパンディータにカシン完敗
「プロレス・パンディータVSケンドー・カシン ワンマッチ興行」(8日、東京・新木場1stRING)
前代未聞の1試合興行はサプライズの連続だった。はぐれIGF軍のケンドー・カシンがFMWを主戦場とするパンディータに異常な関心を示し、力ずくで契約させた一戦。観衆は未発表だったが、客席の7割方は埋まっているように見え、100枚用意した今大会の記念Tシャツが試合前に売り切れるなどの盛況を見せた。
試合形式は「ルールはなし。勝つか、負けるか!?てめぇらで考えろ!!異種格闘技試合時間無制限1本勝負」とされたが、実力者のカシンと前座の色物にすぎないパンディータとの実力差を考慮し、パンディータのみセコンドの介入OKで、セコンドによるフォール、ギプアップもOK、カシンもセコンドからフォール、ギブアップを奪うのもOKという実質的なハンディキャップマッチで行われた。
パンディータ側はNOSAWA論外、KIKUZAWA、ワイルドセブンら多数のセコンドを引き連れ、序盤からカシンに集団暴行を加える。カシンはパンディータに触れることさえままならないほどの劣勢だったが、終盤、一瞬のスキを突いてセコンドを蹴散らし、パンディータを捕らえた。だが、直後にパンディータが自らマスクを外すと、中にいたのは何と大仁田厚。大仁田は即座にカシンへ毒霧を噴射し、セコンドのアシスト受けて机上パイルドライバーを2連発して3カウントを奪った。
試合後は、ワイルドセブンもマスクを外すと、今度は中から本物のパンディータが登場。ルールに従っての勝利に、「カシンさん、きっちり3カウントを取りましたよ」と言い放った。ところが事態はさらに急展開。大仁田側がカシンを踏みつけ、引きずり回すなど暴行を加えているところに、テーマ曲に乗ってカシンの盟友の鈴木秀樹と藤田和之が現れ、一触即発の小競り合いを展開して、大仁田側を排除。藤田はマイクを手にすると、「大丈夫か、カシン。オレがいるから大丈夫だ」と声をかけ、「大仁田、大仁田!初めて会ったよ。おい、大仁田、そういうことだよ、わかるか」と言い残し、足早に会場を後にした。
さらに、その後、徳永英明の「壊れかけのRadio」に乗ってリアルジャパンの平井丈雅代表が現れて熱唱。サプライズ続きの興行にふさわしいエンディングを披露した。
控室では、大仁田が「オレの愛弟子のパンディータがいじめられるわけにはいかないので、さっきオレがパンディータに変身しました」と説明し、「これで3つのキャラクターが出来ました。グレート・ニタ、パンディータ、大仁田厚。いつでも出撃の準備は出来ています」と、今後のパンディータとしてリングに上がる可能性を明言。続けて、「藤田選手が出てきたので、もっと面白くなるかも知れません。11日の記者会見で、はぐれIGFをどう料理するかを発表します」と抗争勃発を宣言した。
一方のカシンは、「参院議員までやった人がパンダをやるのはいかがなものなんですかね」と不満気味だったが、「鈴木さん、やろうよ、大仁田と。しょっぱいけど将軍(岡本)も入れて。このままじゃ終われない」と、こちらも臨戦態勢。だが、藤田については「自分で来てくれて、やさしい男だよ」と感謝しながらも、抗争参戦は「いらねえな」と否定した。