村田1回TKOで11戦全勝 世界へアピール成功

 「ボクシング・10回戦」(23日、MGMグランドガーデン)

 2012年ロンドン五輪金メダリストで、WBC世界ミドル級4位の村田諒太(30)=帝拳=がジョージ・タドニッパ(37)=米国=とのプロ11戦目に臨み、1回1分52秒でTKO勝ちし、全勝を守った。村田は立ち上がりに左ボディーでダウンを奪うと、その後も的確に左右のパンチを当てた。これで3戦連続KOとした。戦績は村田が11戦全勝(8KO)、タドニッパが42戦34勝(24KO)3敗3分け1無効試合1無判定試合。

 完勝だった。村田は1回の半ばにタドニッパを左ボディーでダウンさせると、落ち着いたフットワークでコーナーに追い詰めてラッシュ。37歳のベテランを2分足らずでマットに沈めた。

 得意の右を当て、相手が嫌がるように防御を上げた隙に左を打つ-。世界を目指すために練習してきたコンビネーションだった。「あれは誰でも倒れると思う」と傷一つない顔に笑みを浮かべた。

 昨年11月に同じラスベガスで米国デビューを果たしたが、決定打を出せずに判定勝ちとなった苦い思い出がある。体重がパンチにしっかりと乗るように体の動きを見直し、右だけでなく左も威力を増し、3試合連続KOと成長をアピールした。

 次戦は11月ごろ、世界ランカーと闘う見通し。強豪がひしめくミドル級での世界挑戦へ、数々の名勝負を生んだMGMグランドで着実に前進した。「ここで満員のところでやりたい。その夢の一歩」と言い切った。

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