高山勝成がスパー公開 古傷完治、加納戦へ不安なし「準備ができている」
「ボクシング・WBO世界ミニマム級王座決定戦」(20日、三田市駒ヶ谷運動公園体育館)
前IBF世界ミニマム級王者でWBO世界同級2位の高山勝成(33)=仲里=が大阪市内で10日、同1位・加納陸(18)=大成=と行う同王座決定戦に向け、スパーリングを公開した。相手は元日本同級王者の大平剛(30)=花形=でわざわざ横浜市から呼び寄せ、加納対策を行った。
「サウスポーで身長も同じくらい」と高山は話し14年大みそか、7回TKOで下した敵をあえてパートナーにした。前回横浜に乗り込み10ラウンド行い、今回は2泊3日で大阪に招いた。11日まで計26ラウンドを予定する。
両まぶたのカットもあり、昨年は試合のたびに流血した。傷が治り切る前に指名試合となった昨年大みそかはスパーリングゼロでぶっつけ本番。本来の動きにはほど遠く、ホセ・アルグメド(27)=メキシコ=を相手に8回負傷判定で敗れ、王座を陥落した。
昨年1年のスパーリング総計42ラウンド。それが今回は60ラウンド以上と入念に試合勘を取り戻した。両目の古傷も完治に近く、不安は皆無だ。
この日、5ラウンドのスパーリングでも終盤、連打で何度もロープに追い込んだ。大平は「(試合前で)体重が落ちている状態だけど、力が乗っている。僕とやった時よりレベルは上がっている。スタミナはもちろん、ハンドスピードやパンチの強さ。加納君のことは知らないけど、今のを見たら高山さんかなあ」と高山有利を予想した。
高山は具志堅用高、長谷川穂積を上回り日本最多16度目の世界戦。勝てば4度目の世界王者返り咲きとなり自らの記録を更新する。「相手が(アウト)ボクシングをしてきてもインファイトを仕掛けてきても対応できるし、打破する準備ができている」とキャリアに胸を張った。
かつて自らのスパーリングパートナーを務めた若武者が最短距離で駆け上がってきたことには「よくここまで上がって来た」とたたえた。一方で井岡弘樹氏を超える国内最年少18歳9カ月4日での世界王座奪取には立ちはだかる。「ここから先は別次元。しっかりリング上で結果を見せたい」と力を込めた。