山中 右で制す!V9戦で辛勝モレノと完全決着へ
「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(16日、エディオンアリーナ大阪)
11度目の防衛戦に臨む王者・山中慎介(33)=帝拳=が7日、都内で練習を公開した。昨年9月に苦戦の末、2-1の判定勝ちでV9を達成したアンセルモ・モレノ(31)=パナマ=との再戦。「亡霊」の異名を取るディフェンス名人に完全決着を誓う山中は、勝負のカギに「右」を挙げた。また、同王座を10度防衛した長谷川穂積(35)=真正=から「オレの記録を抜け」と激励されたことも明かした。
「モレノ」という名前が山中の闘争本能を刺激する。「夏とは思えないほど順調。先週からグッと上がった。しっかり決着をつける」と意気込んだ。
「モレノとの距離感は分かっている。左ストレートにこだわりはそんなにない。ジャブを休めると向こうのペースになる」と、右がカギを握るとした。この日は、練習中に発生した震度3の地震にも気づかぬほど集中していた。
右で主導権を握り、展開次第では“神の左”さく裂も狙う。「タイミング、角度が良くなっている。左足の親指で蹴れている感覚もいいし、しっかりと当たれば効かせる自信はある。隙間を狙っていく」とイメージする。
前回は終盤にポイントを取り返す展開だった。「モレノは前半にポイントを取って勝ち逃げするパターンが多いので、序盤でしっかりポイントを取らなきゃいけない。中盤以降が勝負になる」と、今回はペースは渡さないつもりだ。
6~7月に沖縄で走り込み合宿を共にした長谷川穂積(真正)から「オレの記録を抜け」と激励されたという。11度目の防衛に成功すれば、内山高志(ワタナベ)に並ぶ日本歴代2位の記録となる。「何代か前のチャンピオンだし、尊敬している。うれしいけど、プレッシャーをかけないでください、と答えました」と笑った。