尾川堅一が10回TKOでV2
「日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦」(10日、後楽園ホール)
王者・尾川堅一(28)=帝拳=が同級1位の松下拳斗(35)=千里馬神戸=を10回3分4秒TKOで下し、2度目の防衛に成功した。残り10秒という場面でアッパーで起こし、浮いたアゴに強烈な左フックを打ち抜いた。
51戦目、東洋・日本タイトル挑戦は7回目というベテランを相手に苦戦を強いられた。1回から積極的に襲いかかったが、松下の老かいさにはばまれ、なかなかペースを握れない。一進一退の攻防が続き、5回終了時の公開採点は48-47が2者、48-48が1者という接戦だった。
「練習ではいい動きができていたんですけど、フックが大振りになってしまった。ジャブは当たるようになったけど、その後のつなぎができていない。最後はフックがアゴに入って倒せたけど、序盤にやれれば…。まあ、30点ですね」と、自己評価も厳しかった。
とはいえ、防衛戦では2試合続けて1位挑戦者を退けた。「世界に、と言ってもらえる試合がしたい。年内にもう1試合やりたい。2位の金子(大樹)さん、3位の内藤(律樹)さんとやりたい。あと、リングサイドで見ていた(東洋太平洋同級王者の)伊藤雅雪くん。皆さんも見たいのでは、と思う」と強豪の名を挙げた。
リングを降りれば優しい父親の顔になる。試合後のリング上では長男の豹(ひょう)くん(3歳)、次男の亜陸(あり)くん(2歳)を抱き上げ、勝利の喜びを分かち合った。「家族がモチベーションですから。ボクシングで存在価値を見せたい」と、闘い続ける。