13人きょうだい三女・沢井涼 空手から転向の女子ボクサーがKOデビュー予告
13人きょうだいの格闘一家の三女・沢井涼(りょう、23)=井岡弘樹ジム=が28日、ボクシングのプロデビュー戦に向け、大阪市内で練習を公開した。10月9日、堺市産業振興センターで戦績3勝3敗のパーウィッティダー・サックナロン(タイ)を相手にアトム級4回戦を行う。
きょうだい全員が空手家。ボクシングは、ジムが自宅から近かったこともあり、長男が空手のパンチ力強化のために始めたが、涼は妹の四女・乃美(なみ、21)とともに元世界2階級王者の井岡弘樹会長に才能を見いだされ、プロボクサーへの道に進んだ。
涼は今年の全関西を制覇し、乃美は世界大会で2度の優勝を誇る空手界の逸材だった。プロボクサーになるとは夢にも思っていなかったが、井岡弘樹会長の熱心な説得を受け転向を決意。7月のプロテストに姉妹で一発合格した。
「得意パンチは当たればフック。わくわくするのが大きい。いろんな方に来てもらえるので、楽しんで帰ってもらえれば。KOでと思っています」と、必勝宣言した。
きょうだいは32歳の長女から12歳の六女までの7男6女。父・淳一郎氏(52)は大阪・梅田の大阪駅前第3ビルで居酒屋「1969」を経営し、家族で店を切り盛りする。
涼はキッチン担当でフライパンを振るい腕力を鍛え、乃美はホール担当で看板娘だ。朝7時半に起き、8時半に出勤。ランチタイムが終わると、夜に向けた仕込み。夕方にジムで3、4時間の練習後は再び店に戻り、仕事する。帰宅するのは遅いときで深夜2時になるという。
プロボクサーになったのも、注目されることで店の繁盛になればと思ったから。最近は店でも声をかけられることが増え、姉妹で少なからず売り上げに貢献しているものの、まだまだだ。
「5時から店やっています。生ビール100円です」と会見しながらアピール。試合前日も計量が終われば仕事の予定で「稼ぎがあってボクシングができるんですから」と、働き者だ。
デビュー戦で勝利ならもちろん“Vセール”。経営者の父は「割引します。いくらでも」と“振る舞い酒”を予告した。