元WBA世界暫定王者・石田順裕氏がプロジム加盟 「プロで関わった人に恩返し」

115キロの小林憂也氏(左)をヘビー級ボクサーへと育成中の石田順裕会長(右)
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 ボクシングの元WBA世界スーパーウエルター級暫定王者・石田順裕氏(41)が15日、大阪府寝屋川市内で会見し、会長職を務める「寝屋川石田ボクシングクラブ」が11月8日付けでプロジム加盟したことを発表した。

 昨年6月に現役を引退し、同8月に故郷寝屋川市でアマチュアジムをオープンさせた。1年で練習生は150人近くに増えた。

 「最初はプロは考えていなかったけど、選手を育てるうちに、プロになりたい子も出てきた。次第にプロのボクサーを育てたい気持ちが強くなっていった。プロで関わった人に恩返しがしたい」。次第に指導者として世界王者を育成したい思いが芽生えていった。

 興国高、近大と名門を歩んだ石田会長は00年にプロデビュー。09年に同世界王座を獲得した。海外を主戦場にし、11年には米国ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナでWBO世界ミドル級4位で27戦全勝(24KO)のジェームス・カークランド(米国)と対戦。圧倒的不利の下馬評を覆し、1回に3度のダウンを奪ってKO勝利する大番狂わせで世界に名前をとどろかせた。

 13年には世界ミドル級のスター王者・ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)に挑み、3回TKO負けした。現役の晩年、13年には「誰もやったことのないことを」と4階級も上のヘビー級に転向。日本ヘビー級王者・藤本京太郎(角海老宝石)に2度、挑んだがともに判定で敗れ、15年の波乱のプロ生活にピリオドを打った。

 米国でのキャリアが長かった石田会長らしく、ジム名に「クラブ」を付けたのは海外流のこだわり。「米国のジムでは普通に世界チャンピオンとアマチュアボクサーが同じサンドバッグをたたいている。すごくフレンドリーな雰囲気が好きだった。寝屋川石田ボクシングクラブをそういうジムにしていきたい」と、抱負を述べた。

 現役時代はロサンゼルスを拠点にしていた。来夏には小・中学生を連れて、ロスでスパーリング合宿も計画している。「いずれは米国のリングに立つ選手を育てるのが夢」と、語った。

 12月のプロテストで1人、受検予定。来夏までに5人ほど、プロにする計画だ。中には115キロの巨漢、小林憂也さん(28)が変わり種。「ヘビー級の日本タイトルで負けた京太郎への借りを返す」と石田会長はまな弟子で雪辱に意欲。小林さんはもともとはダイエット目的で通っていたが、石田会長の指導にプロも視野。「倒せ京太郎です」とノリノリで応えた。

 同市は大相撲の大関豪栄道(境川)の出身地。先場所、優勝し、九州場所で今は綱とりで盛り上がっている。現役時代、境川部屋に出稽古に行ったことのある石田会長は「すごい刺激になった。足腰の鍛錬になるし、また出稽古させてもらえれば」と、豪栄道にあやかり、ジムを盛り上げたい考えだ。

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