大仁田&渕が第100代アジアタッグ王者に 秋山&井上雅央が挑戦名乗り
「プロレス・全日本」(27日、両国国技館)
全日本にとって約3年ぶりとなる両国国技館大会が6522人(満員)の観衆を集めて行われ、現存する日本最古の王座であるアジアタッグ選手権は大仁田厚、渕正信組の合計121歳タッグが王者の青木篤志、佐藤光留組を下し、記念すべき第100代王者となった。
全日本同期入団で、同じ釜の飯を食った同期の大仁田と渕は、もう1人の同期で28日に29回目の命日を迎える故ハル薗田さんの遺影と入場。全日本時代は正統派だったが、後にハードコアスタイルの開拓者となった大仁田は有刺鉄線爆破バットを持ち込んだが、冷静な渕が使用をストップ。だが、試合は渕が若い王者組に長時間捕まる展開となった。
それでも、渕は大仁田のリング上で机上パイルドライバー、毒霧噴射などの援護を受けて、ふらふらになりながらも耐え抜く。最後は、大仁田の叱咤(しった)激励を受けて62歳の体にむち打ち、こん身の岩石落とし7連発で佐藤を粉砕した。だが試合後、井上雅央が現れて挑戦者に名乗りを上げ、パートナーに秋山準を指名。その場で受け入れた秋山は「渕さん、雅央と2人で行きます」と吠えた。
同王座は渕が2度目、大仁田が初の戴冠だが、この2人のタッグでは海外修業時代を除いて初めてのタイトル。インタビューでは、渕が「ありがとう。大仁田選手のかけ声で生き返った感じがする」、大仁田が「この年代の人は粘り強いと思いましたね。ほとんど渕さんがやってくれた」と、お互いをたたえ合い、さらに渕が「あの声がなければ。本当にきつかったもん。昔、しごかれた後の叱咤激励で」、大仁田が「道場で3人でスクワット3000回やらされたもんな。寝るところも一緒だし、6畳一間で3人で寝て」と、若手時代を思い出した。
そして、大仁田は「これだけは渕さんに言っておきます。ボクはボクのスタイルで試合をやらせていただきます。今度は止めないで下さい」と、今後の防衛戦での有刺鉄線バットの使用を明言。これに渕は「彼のスタイルを支持しているファンもたくさんいるからね」と理解を示し、「でも、こうやってベルトを取ったのはいいが、1回でも2回でも防衛できたらいいな」と控えめに意欲を示すと、大仁田は「すみません、ボクは来年の引退まで防衛しようと思っています」と貪欲な姿勢を見せた。