大仁田が来年10月に旧川崎球場で現役に区切り!相手に初代虎、小川直也を希望
プロレスラーの大仁田厚(59)が29日、都内で会見を開き、来年10月をメドに旧川崎球場(現・富士通スタジアム川崎)で、「さよなら大仁田、さよなら電流爆破」興行を行い、現役生活に区切りを付ける意向を明らかにした。
かねて、大仁田は還暦で電流爆破デスマッチを行って、第一線を退くことを公言していたが、今回、具体的な時期と候補会場について言及した。旧川崎球場はFMWが何度もビッグマッチを開催した会場で、大仁田自身、95年5月5日、同所で2度目の引退興行を行った伝説の地。同興行では、5万8250人の大観衆を動員し、同所の最多入場者数の記録として残っている。
かつて、ロッテが本拠地として使用していた同所は00年に、その役目を終えた。跡地は改修され、現在はアメリカンフットボールやサッカーの聖地に変貌を遂げている。大仁田は還暦の誕生日(10月25日)を迎える来年10月をメドに、同所と使用について協議中だ。
大仁田は「今年で43年目になりますから。引退という言葉は使いすぎて、ウソだとか詐欺だとかいわれていますが、本当に申し訳なく思っています。年間260試合やったこともありますし、言い訳になるんですけど、毎日メーンイベントを張って血を流していると、これが限界かなと思って。だけど、プロレスが大好きなものですから、また戻りたいなって気持ちになって。それを繰り返してうちに…。来年60歳、還暦を迎えますので、自分のなかで、ケジメと、これが最後の引き際かなと思いまして。引退という言葉は使いません。全日本プロレスで育って、全日本で引退して、体中には1442針の傷があります。来年10月をメドに、『さよなら大仁田、さよなら電流爆破』をやります」とコメント。
残された期間はあと約11カ月となるが、今後について、「イジメ撲滅で、全国ツアーをやっていきたい。ZERO1の大谷(晋二郎)選手が11年もやっていて、それに共感して、ボクも4年間回らせてもらってますが、引き続き全国で爆破を見ていない地域を来年1年間、回っていこうかなと。いろんなことを言われるかもしれませんが覚悟の上。今回は人生のなかでリングを降りなければならない。そういう気持ちに達しました。日程は決まっていないんですが、あちら(富士通スタジアム川崎)には、『10月中にやりたい』と投げかけています。多少変更はあるかもしれませんが…。還暦電流爆破で終われれば本望」との見通しを示した。
気になる“さよなら試合”の対戦相手として、来年、その遺恨が再燃しそうな初代タイガーマスク、小川直也の名を挙げた。理由は「(アントニオ)猪木さんの後継者でもありますし…」。さらに、「曙とも電流爆破で1勝1敗(化身対決は除く)で終わってますし、決着戦もあるかもしれない」とも話した。 また、“後継者”育成のため、「誰かが爆破を継いでくれると信じてるし、田中(将斗)とも1回闘わないと」と発言。さらに、大仁田は米国での電流爆破実現にも尽力する意向を示した。
「オレがつくったハードコアを、サブゥーがビデオテープを持ち帰って、ECWでやって、世界に広がった。来年には米国遠征をしたい。ECWにいて、今プロモーションをやってるトミー・ドリーマーと話してるんだけど、ハードルは高い。ユニオンとか、そういう問題もあるし。だけど、生涯の夢として、一歩一歩実現したい」(大仁田)と、悲願の米国での爆破マッチ開催に意欲を見せた。
なお、大仁田は「さよなら大仁田、さよなら電流爆破」の主催者について、「ZERO1、超戦闘プロレスFMW、ファイヤープロレス、全日本プロレスで実行委員会がつくられる予定です」と話した。
また、27日の全日本プロレス両国国技館で、“同期生”渕正信とのタッグで青木篤志、佐藤光留組を破り、第100代アジアタッグ王座に就いた大仁田は、「渕、大仁田が組んで、両国でアジアタッグの第100代王座を獲れた記念すべき日。昨日(28日)、ボクらの同志であるハル薗田こと薗田一治の命日だった。オレはさよならまで、ベルトを巻き続けたいと思います。ベルトの価値観は、巻いた人間の生き様だと思ってます。それをどこまで表現できるか」と話した。
また、大仁田は28日に急逝した永源遥さんに触れ、「永源さんの訃報を聞きまして、ボクはあまり付き合いがなかったんですけど、新日本におられた頃、(グレート)小鹿さんや大熊(元司)さん=故人=が、よくしゃべってたのを記憶しています。本当に心から、お悔やみ申し上げます」と追悼のコメントを出した。