小野判定負け「全てをやり切った」日本選手タイ世界戦21敗1分け

 「ボクシング・WBA世界ミニマム級タイトルマッチ」(14日、ナコンラチャシマ)

 挑戦者で同級14位の小野心(33)=ワタナベ=は、同級王者のノックアウト・CPフレッシュマート(26)=タイ=に0-3で判定負けし、王座奪取に失敗した。14年5月以来、2度目の世界挑戦で初の王座を目指した小野は相手の圧力に苦しみ、10回にはダウンを奪われた。日本ボクシングコミッション(JBC)公認のタイでの世界戦で、日本選手は通算21敗1分けとなった。ノックアウトは5度目の防衛。

 12回を闘い抜いた。しかし、自身より上背がない王者の圧力に屈した。大差の判定で完敗し、小野は「相手に空間を支配された。うまかった」と脱帽するしかなかった。

 タイでの世界戦は日本勢には鬼門で、しかも午後の最も暑い時間帯に屋外の特設リングに立った。サウスポーの小野は、序盤は右を起点に間合いを取ったが、接近戦に苦しみ、5回に左でぐらついた。10回にはタイミングよく入った左に倒れた。

 3回以降、ほとんどポイントを奪うことができなかった。王者の高山勝成(仲里)に判定負けした14年5月のIBFミニマム級タイトルマッチ以来の世界挑戦。またもベルトを逃し「最後まで勝ちたいという気持ちはあった」と、悔しさをにじませた。

 それでも、セコンドからの「足を使え!!」との指示を忠実に守り、最後まで動きを止めなかった。判定負けに「この日のために全力で準備し、全てをやり切った」と満足感も漂わせた。

 27日には34歳になる。去就については「今は終わったばかり。何も考えられない」と話すにとどめた。

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