田口「相撲トレ」でカニサレス対策 当たり強烈ファイターを「業」でいなす
「WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ」(31日、大田区総合体育館)
5度目の防衛戦に臨むWBA世界ライトフライ級王者の田口良一(30)=ワタナベ=が16日、都内のジムで練習を公開した。挑戦者は、自らあえて選んだ16戦全勝のカルロス・カニサレス(23)=ベネズエラ。小柄ながら、強気に前に出て接近戦を挑んでくるファイター退治の鍵を握るのは「相撲トレ」だった。
ボクシングでは、あまり見られないトレーニングだった。田口はバンデージを巻いたまま、石原雄太トレーナーと相撲を取るように組んで前に押し合った。
これこそ身長153センチながら、並外れた体のパワーを持つというカニサレス対策だった。田口は「体の当たりは、僕がやった中でもトップクラスの強さ。押し負けてスタミナを失わないように」と警戒した。
石原トレーナーは「押し合った時に重心をずらすことで相手を崩し、いいポジションを取る練習」と説明した。グローブをつけても、「コンビネーション・バッグ」という接近戦練習具を着けたトレーナーに、体を寄せるといなし、足を使ってかわして手を出した。
いわば「相撲トレ」。それも怪力比べではなく、「業師」として立ち向かう練習だ。田口は「舞の海や寺尾とか好きでした」と明かし、今回、自分がやろうとしていることにピッタリの元力士の名前を挙げた。
「相手はKOを狙ってくる。フックが本当に強い。だけど、大振りなのでカウンターのチャンスは出てくると思うので当てたい。KOを狙っていく」と力強く言い切った。2試合続けてディフェンシブな相手だった。久々のファイターをどう料理するだろうか。