内山やり返す 王座返り咲きへ「勝たなきゃどうしようもない」
「WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ」(31日、有明コロシアム)
大みそかに行われるダブル世界戦の予備検診が28日、都内で行われ4選手とも異常はなしだった。内山高志(37)=ワタナベ=は国内史上3人目のダイレクト・リマッチ(即時再戦)による王座返り咲きに揺るぎない自信を見せた。また、田口良一(30)=ワタナベ=は徹底した風邪対策で5度目の防衛に臨む。
6年半の間、11度守り続けたベルトを奪ったコラレス(25)=パナマ=の顔を8カ月ぶりに見た。4月にKOされた映像は繰り返し見ているが、「実際に(コラレスの顔を)見て改めてワクワクした気持ちになった。使命感というか、はっきりした目標。これに勝たなきゃどうしようもないだろう」と気を引き締めた。
コラレスとのダイレクト・リマッチは、さまざまな偶然が重なり実現した。コラレスの初防衛戦として有力視されていたワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)戦が流れたため、内山側に交渉のチャンスが訪れた。
これまで日本ジム所属選手による世界王座陥落後のダイレクト・リマッチは10試合行われているが、ベルトを奪回したのは輪島功一(2回)と徳山昌守の2人だけ。
元WBA・WBC世界スーパーウエルター級王者の輪島氏は「一度負けた相手ともう一度やるというのは、これほど怖いことはないんだよ。気力、気迫をすべて振り絞って闘わなければ勝てない。駆け引きも大事だよ。あいつはこう来るんじゃないか、いやこうかもしれないとか、いろいろ考えるの。1回やった相手だから、余計想像力が大切なんだ」とリマッチの難しさを説いた。
コラレスは「内山の出方次第で8、9通りの策がある」と豪語したが、内山は「こちらには10パターン以上ある」と、コラレスとの仮想戦を終えていた。それは輪島氏の教えと重なるものだろう。