山中“勇者”カールソンとV12戦 ランク上位選手、対戦受けてくれず
「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(3月2日、両国国技館)
帝拳ジムは23日、都内でWBC世界バンタム級王者・山中慎介の12度目の防衛戦を発表した。挑戦者は同級9位のカルロス・カールソン。敗戦はデビュー戦のみで現在22連勝の右ボクサーファイターだ。勝てば元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高(協栄)の持つ世界王座13連続防衛の日本記録に王手をかける。
カールソンについて山中は「(V10、11戦の)モレノとやった後で知名度は劣る」と率直に評価した。その上で「なめてかかるつもりはない。22連勝中でブンブン振り回してくる。左フックには気をつけたい。映像で見る以上に注意しないといけない」と戒めた。
浜田剛史帝拳代表は「上背はあるが上体を低くして一発、一発角度を決めて振ってくる。典型的なメキシカンタイプ。9位ではあるが、1敗は6年前のデビュー戦なので参考にならない」と侮れない相手と見ている。
それを裏付けるのが今回の対戦が決定した経緯だ。浜田代表は「1位から15位まで全員に声を掛けたのですが、挑戦を受けてくれたのはカールソン選手だけだった」と明かした。山中も「やる気満々で来てくれれば、スリリングないい試合になる」と歓迎した。
勝てば具志堅の持つ日本記録に王手をかける。常に「記録には興味がない」と言う山中は、この日も「同じ答えしかできない」と苦笑い。「一戦一戦勝つことがテーマ。ただ、前回よりいい試合をしたいとは思う」と静かな口ぶりだった。
「インパクトのある倒し方でKO決着したい。自分には左ストレートしかないので、その武器を生かす練習をしている」と、倒し方を語る口調は熱を帯びた。