「プロレス・ノア」（２４日、後楽園ホール）

　プロレスとお笑いが合体した特別興行「新春やまだかつてないＮＯＡＨ」が６１３人の観衆を集めて行われた。

　年間約７０試合は観戦するという大プロレスファンのタレント・山田邦子（５６）が企画した異例の興行。試合は「その場で決めるのをどうしてもやりたかった」という山田の希望により、邦子軍を率いる山田と丸藤軍を率いる丸藤正道がジャンケンで選手を取り合って抽選でカードを決め、丸藤が第１試合に登場し、盟友同士の中嶋勝彦とマサ北宮がタッグで対戦するなど、普段の興行では見られない戦いが実現した。

　急きょ組まれたカードながら、選手は普段と変わらぬ熱い戦いを展開。さらに、小峠篤司がピコ太郎のコスチュームを着て戦い、新技のヒザ蹴り「ＰＰＡニー」を繰り出せば、大原はじめは、自身と顔が似ている鈴木雅之の姿で山田と「ロンリーチャップリン」をデュエットするなど会場は笑いと興奮に包まれた。

　また、芸人のライブもリング上で行われ、山田も十八番のバスガイド芸を披露。さらに、山田は全４試合終了後に全選手参加のバトルロイヤルを提案し、自身も参戦すると丸藤をフォールする“金星”を挙げるなど大ハッスルした。

　山田はこの興行を企画した意図を「乳がんを患って今年で１０年なので、一応の快気祝い。がんは転移とか再発とか、いつまでも引きずるんですけど、取りあえず１０年と思うとうれしくなりまして。この１０年、プロレスに発散させてもらったんです。免疫力が高まって治療に効果的なんですね。大きな声で応援したりすると。その感謝の気持ちも込めて、今回こういうことになりました」と説明。続けて「ノアは昨年後半からすごくいい試合が続いていて、選手はみんなくたびれてると思う。なので、選手にも一瞬のお年玉というか、感謝があってもいいんじゃないかなと思った」とも話した。

　さらに「私はプロレス全体が好きなんです。好きなのは偏っているんですけど、あの選手、あの選手…と集めて…。プロレスも時々ごちゃごちゃと混ざった方がいい。１つの団体だけだと間柄が濃くなる。混ざるとお互い触発されるのもあると思う。次があるなら、そういうのも考えていきたい」と、“やまだかつてないオールスター戦”開催にも意欲を示した。