比嘉大吾がデビューから12連続KO勝ち 世界前哨戦クリアも反省「だらしない」
「ボクシング スーパーフライ級ノンタイトル10回戦」(4日、後楽園ホール)
東洋太平洋フライ級王者の比嘉大吾(白井・具志堅スポーツ)がフィリピン・フライ級8位のディオネル・ディオコスを4回2分29秒TKOで下し、デビュー以来12連続KO勝利とした。
自身の記録更新で、世界前哨戦を制したにもかかわらず、試合後の比嘉に笑顔はなかった。勝利者インタビューでは「すみません。こんなに前哨戦と騒がれて、だらしない試合をしてすいませんでした。もっと練習して頑張ります。練習の成果が出せませんでした」と客席に頭を下げた。
1回からボディー中心に攻めてペースを握ったが、思い通りの試合展開にできなかった。右ストレートが思うに任せず、早い回から決められそうで決めきれない。ディオコスの執ようなクリンチにも手を焼いた。
「相手に応じてのボクシングができなかった。圧倒的に攻めているのは自分でも分かっていたし、お客さんもそう見てくれたでしょうけど、ボクシングをやっている人はくっつく展開が多いと思ったはず。クリンチをほどいて、バックステップを使っていかなければいけない」と振り返った。
今回、定位置のフライ級でなく、1階級上のスーパーフライ級での試合だったことも影響した。「スーパーフライなのに体重調整が難しかった。調整を含めて試合ですね。これで世界戦をやったら大きな間違い。前哨戦でいい勉強ができた。倒せたのはよかったけど、世界戦ではもっといい試合を見せたい」と前向きに捉えた。
具志堅用高会長は「負けたらどうしようとドキドキしてゆうべは眠れなかった。比嘉は硬さがあったね。右が思うように打てなかった。左はよかった。左を生かした方がいいかもしれないね」と、前哨戦の重さを代弁した。
現在WBC世界同級3位で、3月4日にタイで行われるWBC世界フライ級1位のナワポーン・ソー・ルンピサイ(タイ)と同2位のファン・エルナンデス(メキシコ)による同決定戦の勝者の指名挑戦者に決まっている。現地で視察するという比嘉は「どちらが来ても変な試合にせず、21歳でチャンピオンになります」と、具志堅会長と同じ年での世界王座獲得を目指す。