広島ジム初のアジア王者ならず…板垣、プロ30戦目での初タイトル戦も判定負け

判定負けに悔しそうな表情を浮かべる板垣
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 「デイリー後援・ボクシング・WBOAPライトフライ級王座決定戦」(12日、NTTクレドホール)

 広島市出身の板垣幸司(33)=広島三栄=はプロ30戦目で初のタイトルマッチに挑んだが0-3の判定で、堀川謙一(36)=京都SFマキ=に敗れた。板垣が勝利すれば広島のジムから初のアジア王者誕生となったが、持ち越しとなった。

 「悔しいです。ベルトがほしかった。ラストチャンスだと思っていたので…」

 試合後、板垣は顔をしかめて振り返った。9ラウンド以降は初めてだったが、気力を振り絞った。「負けていると思ったので打ちにいった。なりふり構わず振り回した」。生まれ育った地元広島での一戦。“幸司コール”の大歓声の中、一心不乱に戦ったが、結果は無情だった。「向こうが冷静だった。プレッシャーがすごかった」と唇をかんだ。

 王座獲得への思いは人一倍強かった。最愛の亜也子夫人は宮島で必勝を祈願し、「勝」と書かれたお守りを買ってきてくれた。板垣の勤務先であるクリーニング会社「日本基準寝具」の同僚はいつもチケットを購入し、横断幕を持って、応援に駆けつけてくれる。そんな周囲の期待に何とか応えようと、懸命に戦ったが…。惜しくも悲願のベルトは手にできなかった。それでも最後まであきらめない姿勢は、観客まで届いたはずだ。

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